不動産コラム

空き家を売る前にインスペクションは必要?|売主が知っておくべきメリット・費用・注意点

インスペクション|売主が知っておくべきメリット・費用・注意点
bonz.fudosan@gmail.com

はじめに

  • 相続した実家を売ることになったけど、空き家を売る時ってインスペクションは必要なの?
  • インスペクションのメリット、デメリットは?実施しなかった場合のリスクは?
  • インスペクションは具体的に何を調査するの?費用は?

そんなことでお困りではありませんか?

そこで、本記事では空き家を売却する売主の方向けに、インスペクション(建物検査)の費用やメリット、注意点などを徹底解説しました。

1

インスペクションとは?

インスペクション(建物状況調査)とは、専門の建築士や大工などが建物の劣化や不具合を目視・計測で調べる検査のことです。
特に2018年4月の宅建業法改正により、不動産会社は売主・買主に対して「インスペクションの実施有無」を説明することが義務化されました。

つまり、空き家を売るときにも「建物の状態を示す資料」があるかどうかは、買い手の安心感に直結します。

2

売主が空き家にインスペクションを行うべき理由

売主にとってインスペクションは「費用がかかる」と感じるかもしれません。
しかし、実際は以下のようなメリットがあります。

メリット内容
買主の安心感が高まり、売却がスムーズになる建物の状態を明確にすることでトラブルを防げる
瑕疵(欠陥)を事前に把握できる売却後のクレーム・補修トラブルを回避できる
売却価格の根拠を示せる「安心して買える家」として価格を維持しやすい

特に老朽化が進んだ空き家ほど、検査結果を提示することで「購入後の不安」を解消でき、結果的に成約につながりやすくなります。

逆にデメリットは、売却後の「契約不適合責任」を負うことです。

引き渡された物件が契約内容に適合しない場合、買主は売主に対し、①補修②代金減額請求③契約解除④損害賠償請求をすることができます。

別記事で、売主が知っておくべき「契約不適合責任」について詳しく解説しています。

あわせて読みたい
【要注意】不動産売却での「契約不適合責任」とは?売主が知っておくべきリスクと対策
【要注意】不動産売却での「契約不適合責任」とは?売主が知っておくべきリスクと対策
3

インスペクションの費用相場と内容

インスペクションを実施するインスペクターによって、金額や内容が異なると思いますので、あくまでも目安としてご覧ください。

基本調査:5~7万円

  • 基礎:クラックの有無や沈みなど
  • 外壁:クラックの有無や劣化状況
  • 屋根まわり・雨樋:瓦のズレや雨樋の割れなど劣化状況
  • 傾き:機械を使って各部屋の傾きのチェック
  • 床下:床下点検口から湿気や腐敗などのチェック
  • 雨漏り:天井や点検口、屋根裏から雨漏りのチェック

オプション:+1~2万円

  • 水漏れ:キッチン、浴室、トイレ、給湯器など水回りの、水漏れがないかチェック
  • 電気:各照明が点灯するかどうか、ブレーカーや電線などから異常の有無をチェック
4

インスペクションを依頼する際の注意点

  • 資格のある建築士や大工などに依頼する(既存住宅状況調査技術者)
  • 売却前に実施しておく(買主からの再検査を避けられる)
  • 報告書を保管し、媒介契約時に仲介業者へ提出する

DIY的な自己判断や、資格のない検査はトラブルの元なのでやめましょう!

5

インスペクションの事例紹介:岐阜市・関市・各務原市の実例

売主の実例①:岐阜市の木造住宅(築35年)

物件概要

  • 所在地:岐阜市北部
  • 築年数:35年
  • 状況:2年間空き家状態

売主コメント(60代男性)

「最初はリフォームしないと売れないと思っていましたが、不動産会社から『インスペクションをして状態を明確にした方が良い』と提案を受けました。」

インスペクションでは、基礎と外壁に軽度のひび割れが確認されましたが、構造的な問題はなし。

その結果、買主に「構造はしっかりしている」という安心感を与えることができ、査定額ほぼ満額で2か月以内に成約しました。

売主の実例②:関市の空き家(築28年)

物件概要

  • 所在地:関市中心部
  • 築年数:28年
  • 状況:親から相続した空き家

売主コメント(50代女性)

「売却後に“雨漏りしていた”とクレームが来るのが怖くて、念のため検査を受けました。」

検査の結果、屋根の一部に軽い劣化が発見されましたが、事前に修繕対応。報告書を買主に提示したことで、「誠実な売主」という印象を与え、トラブルもゼロ。

結果的にスムーズに売買契約が成立しました。

売主の実例③:各務原市の空き家(築40年)

物件概要

  • 所在地:各務原市鵜沼地区
  • 築年数:40年
  • 状況:老朽化が進んだ空き家

売主コメント(70代男性)

「“古すぎて売れない”と思っていましたが、インスペクションを受けて“安全に使える”と分かりました。」

報告書をもとに不動産会社が広告に「検査済み・構造健全」と記載したところ、築年数の割に高い評価を得て、相場より約8%高値で成約

「検査済み」というキーワードが信頼の証になりました。

6

岐阜県内で依頼できるインスペクション業者は?

岐阜県内のエリアに対応している「既存住宅状況調査技術者」は多数います。

下記のサイトで検索できるので、まずは近くの資格所有者に相談されることをおすすめします。

▶▶既存住宅状況調査技術者検索サイト

▶▶公益社団法人岐阜県建築士会

必ず、「既存住宅状況調査技術者」の資格を持っている人に依頼しましょう!

まとめ

  • 空き家を売却する前にインスペクションを実施すると、 売却価格の維持・早期成約・トラブル防止の3つの効果がある
  • 売主は「契約不適合責任」について知っておく必要がある
  • 7~9万円程度の費用は発生するが、実施するメリットは大きい
  • 岐阜エリアでも、建築士による検査を依頼できる環境が整っている

売主が「安心して売れる準備」を整えることが、最終的な売却成功のカギです。

岐阜県内の空き家売却に関する無料相談・査定受付中!

ボンズ不動産では、岐阜県内の空き家売却に関する無料相談を受付中!

権利調整、不用品の買取、空き家の片付け・処分、草刈りなどの管理、インスペクション手配、売却、税申告まで、空き家に関することは全てお任せください。ワンストップ対応いたします。

  • 不用品の買取:古物商の免許を保有する業者と連携して、買い取らせていただきます
  • 片付け・処分:各一般廃棄物収集運搬許可業者と連携して、責任をもって処分をいたします
  • 管理:草刈りや窓の風通しなど、ご要望に応じて対応させていただきます
  • 売却:「買取」「仲介」の両パターンで金額を提示させていただきます
  • 税申告:提携先の税理士と連携してサポートさせていただきます
  • 権利調整:提携先の弁護士および司法書士と連携してサポートさせていただきます
対応可能エリア:岐阜県南部

岐阜市・瑞穂市・各務原市・関市・美濃市・美濃加茂市・可児市・笠松町・岐南町

オンライン相談も可能なので、首都圏在住の相続人の方もお気軽にご相談ください。

無料相談受付中!

関連記事

あわせて読みたい
はじめての不動産売却│知っておきたい心得や基礎知識
はじめての不動産売却│知っておきたい心得や基礎知識
あわせて読みたい
【完全ガイド】不動産売却にかかる期間はどれくらい?平均日数と早く売るコツも解説
【完全ガイド】不動産売却にかかる期間はどれくらい?平均日数と早く売るコツも解説
あわせて読みたい
【岐阜の不動産売却】どこに相談すればいい?失敗しない相談先の選び方とは
【岐阜の不動産売却】どこに相談すればいい?失敗しない相談先の選び方とは
あわせて読みたい
空き家売却で税金トラブルを防ぐための完全ガイド|よくある失敗例と対策
空き家売却で税金トラブルを防ぐための完全ガイド|よくある失敗例と対策
プロフィール
BONCLA(ボンクラ)新聞編集長 酒井
BONCLA(ボンクラ)新聞編集長 酒井
宅地建物取引士 / 岐阜県空家等総合相談員
株式会社ボンズ不動産代表

主な事業内容は、買取再販・売買仲介・不動産投資(不動産賃貸業)・賃貸仲介、岐阜県南部(岐阜市・瑞穂市・各務原市・関市・美濃加茂市・可児市など)が主な活動エリアです

主に空き家・空き地・1棟アパート/マンションを取り扱っております

・BON(ボン):ボンズ不動産が運営する、フランス語で”良い”
・CLA(クラ):暮らし、Classic=価値のある

”暮らしを豊かにしたい"、"価値のある情報を提供したい"という思いで当サイトを運営しています
記事URLをコピーしました